『白毛』なんて読むのでしょう?
答えは”しろげ”ですね。(そんなの知ってるよと聞こえてきますね)
この白毛の馬と言えば2023年10月に電撃引退を表明したソダシが思い出されます。
ソダシは、阪神ジュベナイルフィリーズでJRA初となる白毛馬のGⅠ制覇を達成。
その後、桜花賞も制し、これまた白毛馬初のクラシック制覇を成し遂げます。
その後も、ヴィクトリアマイルや札幌記念を制して生涯獲得賞金は6億円越え。
言わずと知れたトップホースかつアイドルホースへと駆け上ったのは記憶に新しいところです。
ところで白毛の馬、昔は体質が弱く活躍はできないと言われていた時代もあったとのこと。
自分も20年以上(その時々で濃淡はあれど)競馬を見てきていますが白毛馬の記憶がほとんどなく、またオープンレースで活躍する姿なんて見た記憶がないというのが実感です。
では、本当のところ白毛の馬は、過去から現在まで、どの程度の登録があり、またその馬たちの系譜が続いているのか、はたまた途絶えているか?
気になったら調査ということで調べてみました。
基本的に国内とくにJRAに登録されていた馬を中心に調べていますが、地方競馬に登録されていた馬も分かる範囲で含めています。
漏れている馬たちもいるかもしれませんが、そこはご容赦ください。
尚、系譜としては、白毛でない馬も含めています。この点もご容赦ください。
それでは早速、年代の古い順にたどってみたいと思います。
白毛馬とその系譜
ハクタイユー
まず1頭目は、1979年生まれのハクタイユー(牡)です。
日本で最初の白毛の競走馬として登録されています。
”白毛”という毛色の設定もこのハクタイユーがきっかけで制定されたようです。
まさに元祖白毛馬ですね。
ハクタイユー、競走馬としては未勝利のまま引退していますが、馬主の牧場に引き取られ種牡馬として子孫を残すことに成功しています。
それでは、その系譜を見てみましょう。
ハクタイユーの系譜
ハクタイユー、種牡馬として7頭の産駒を世に送り出しており、そのうち5頭が白毛となっていました!
その中で、ハクホウクンが後継種牡馬として産駒を残すことに成功していますが、残念ながらのその系譜は現代まで続いてはいなかったです。
しかしながら、最後の産駒は2013年生まれの白毛馬!のダイヤビシュー(牝)となっており、もし繁殖に上がることができていたら確実に今につづいていたでしょうね。
残念です。
<系統①:ハクホウクンの系譜>
カミノホワイト
つづいては、1983年生まれのカミノホワイト(牝)です。
こちらは、1頭目のハクタイユーとことなり牝馬として初の白毛馬となります。
ソダシの大先輩ですね。
また、1頭目のハクタイユーとは生年が4年差と同年代に生まれていることになります。
カミノホワイトの系譜
カミノホワイト、繁殖成績としては産駒1頭にとどまっており、残念ながらその系譜が繋がることはありませんでした。
しかし、この1頭、父がハクタイユーとなってます。
そうです、1頭目で紹介した初の白毛馬との産駒になっており、父・母ともに白毛馬というのは、後にも先にもこの産駒(ミサワボタン)だけとなります。
シラユキヒメ
つづいて、来ました1996年生まれのシラユキヒメです。
サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題を集めましたが、競争成績自体は9戦して勝利無しとなっています。
ただし、その中で1度3着に入っており、これがJRA所属馬として馬券に絡んだ初の白毛馬の記録となりました。
そしてシラユキヒメ、ご存知の通り繁殖に上がり、馬主が同じだったブラックホーム、クロフネ、キングカメハメハといった良血の種牡馬と配合され素晴らしい産駒を残しています。
早速見ていきましょう。
シラユキヒメの系譜
シラユキヒメ、繁殖として10頭の産駒を送り出しており、そのうち7頭の牝馬がそれぞれシラユキヒメの系譜を繋いでいます。
残念ながら牡馬は、種牡馬として系譜を繋ぐことはできていないようです。厳しい世界ですね。
牝馬の産駒の系譜の中にソダシも含まれますし、白毛ではないですがメイケイエール、ママコチャといった多数の活躍馬が確認できます。
いやぁ、マジですごいですね。
尚、JRAのロゴがついている馬は現時点でJRAの現役馬、NARのロゴがついている馬は同じく地方競馬での現役馬となります。(2024年3月時点)
確認漏れがあるかもしれませんが、その点はご容赦ください。
<系統①:ユキチャンの系譜>
<系統②:ママズディッシュの系譜>
<系統③:マシュマロの系譜>
<系統④:ブラマンジェの系譜>
<系統⑤:マーブルケーキの系譜>
<系統⑥:ブチコの系譜>
<系統⑦:ブッチーニの系譜>
ブッチーニ、2023年11月に競走馬から引退し、現在はノーザンファームで繁殖生活に入っているようです。
白毛の系譜を盛り上げる産駒を送り出してくれることを期待しましょう!
ホワイトペガサス
つづいては、1998年生まれのホワイトペガサスです。
ホワイトペガサスは、JRA所属ではなく南関東所属であり交流戦などのJRAのレースに出走した実績はありませんでした。
ホワイトベガサス、主戦場の浦和や大井の南関東で8勝を挙げる活躍した白毛馬となります。
南関東で活躍しましたが、種牡馬となるハードルは高く産駒を残すことはできませんでした。残念。
マルマツライブ
つづいても地方で活躍した2004年生まれのマルマツライブとなります。
白い馬体だけでなく、たてがみがブロンド(薄茶色)という見た目もインパクトがありますね。
こちら牝馬ですが、繁殖に上がらなかったようで系譜はつながっていませんでした。
うーん残念。
マダムブランシェ
お次は、2005年生まれのマダムブランシェになります。
こちらは、血統(ミラクルアドマイヤ×ダンスインザダーク)も良く、友道厩舎所属と活躍を期待してしまいますが、競争成績は4戦して未勝利で引退となっています。
繁殖にはあがっており9頭の産駒を送り出していますが、現時点で残念ながら系譜を繋ぐことはできていないようです。
ただ、デビューを控えた牝馬がいるので、この後、白毛馬の系譜を繋ぐ活躍をしてくれることに期待しましょう!
カスタディーヴァ
つづいて2014年生まれのカスタディーヴァとなります。
カスタディーヴァ、田村(美浦)厩舎所属で、函館の未勝利戦の勝利で1勝を挙げ、500万下条件でも好走しています。
繁殖にあがってから2020年生まれのアオラキをはじめ、現時点で3頭の産駒を送り出しています。
まだまだ繁殖牝馬として現役ですので、これから活躍馬を多数出してくれることを期待しましょう。
ホワイトドラゴン
つづいては、カスタディーヴァとおなじ2014年生まれのホワイトドラゴンです。
こちらも、鮫島(栗東)厩舎所属で、函館の未勝利戦の勝利で1勝を挙げています。
こちら牡馬ということもあり、残念ながら種牡馬として系譜を繋ぐことはできていないようです。
なかなか牡馬は厳しいですね。
サトノジャスミン
いよいよ最後となります。2016年生まれのサトノジャスミンです。
サトノジャスミン、角居(栗東)厩舎所属で、競争成績としては2戦して勝ちなしで引退し繁殖牝馬にあがっています。
ここまで、オルフェーヴル、ゴールドシップというステイゴールド系の種牡馬と交配されて3頭の産駒を送りだしています。
3頭とも牝馬、かつデビュー前の2頭は白毛となっており、是非、活躍してサトノジャスミンのそして白毛馬の系譜を繋ぎ拡げていってほしいですね。
サトノジャスミン自体がまだまだ繁殖牝馬として現役なので系譜を拡げる産駒が出てくるといいですね。
まとめ
さて国内の白毛馬の系譜を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
白毛馬の系譜をたどってみると約半世紀!も前のハクタイユーに行きつき、そこから、想像したよりも連綿と白毛馬の出現とその系譜の連なりがあるなと正直驚きました。
こんなにいたのか!?と。
今や名牝の系譜になりつつあるシラユキヒメの系譜を筆頭に、カスタディーヴァやサトノジャスミンなどの新たな白毛馬の系譜も出現していることが確認できました。
デビューを控えた産駒や、これから生まれてくる白毛馬も多数出てくることが予想されます。
馬主には、なかなかなれるものではないですし、一口馬主も少し敷居が高いかもしれないですが、せめてPOGや余力があるときに応援馬券など白毛馬やその系譜を応援してみるといのも競馬の一つの愉しみ方ではないかなと思いました。
今後も、定期的に白毛馬の系譜をウォッチし、アップデートしていけたらなと思います!
もしお時間あれば、こちらの牝馬の系譜に関する記事も読んでみてください。
※馬券は20歳になってから。馬券は程よく楽しみましょう。