2024年度の全日程が終わり、いよいよ年明けから3歳クラシック戦線が本番に向けて大きく動き出す今日この頃ですが、一足早く?来年の皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞のいわゆる3歳クラシック戦線を展望してみたいと思います。
尚、この記事では、2歳馬戦を多角的に総括して展望するという高度なことはしません。
(正しく言えば、そんなことできる知見がありません。。。)
では、どうするのかと言えば、過去に調査した2つの調査結果を元に展望したいと思います。
1つめは、2015年~2023年の9年間のクラシック三冠レースで馬券に絡んだ馬たちのデビュー戦と初勝利を調査した結果となります。
2つめは、POG(ペーパーオーナーゲーム)の指名馬を決めるために2021年~2023年の3年間の2歳、3歳馬限定戦の重賞レース含むオープンレースで馬券に絡んだ馬たちの血統を調べたものとなります。
基本的に、この2つの調査結果を元にして展望してみたいと思います。
尚、皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞には、牝馬も出走可能でウォッカのようにダービーを制する牝馬もいますが基本的に牝馬は牝馬三冠路線に行く馬が大多数ということで、今回は牡馬のみを対象としました。
前置きが長くなりましたが、本編に入りたいと思います。
尚、同じやり方で牝馬クラシック戦線についてもやっているので、是非みてください。
デビュー戦/初勝利の観点からピックアップ
まずは、デビュー戦と初勝利の観点からピックアップしてみたいと思います。
具体的な絞り込みの条件は、大きく次の3つとなります。
絞り込み条件1 : 初勝利するまでのレース数
初勝利するまでのレース数ですが、こちら過去9年のクラシック三冠レースで馬券に絡んだ馬たちの約93%が2戦以内で勝っていました。
ということで最初の条件は、デビューから2戦以内に勝っていることとなります。
【初勝利に要したレース数】
絞り込み条件2 : デビューの時期とコース
次の条件は、デビューの時期とコースとなります。
つまり新馬戦をいつどのコースで戦ったのかという話となります。
こちらも絞り込み条件1と同じ調査において、デビュー時期(月)は、9月、10月をピークにその前後1カ月の合わせて4カ月間で73%を占めていることを確認しました。
よって、デビュー時期に関しては、8月~11月にデビューを迎えていることとなります。
また、デビュー戦のコースとしては、芝1800mを中心に前後200mの芝1600mと芝2000で全体の96%を占めていました。
また競馬場の観点では、福島以外の9場で実績がありました。
ということで、ここでの条件としては、デビュー時期が8月~11月の間で、芝1600m、芝1800m、芝2000mの福島以外の競馬場の新馬戦に出てきた馬となります。
ちょっと競馬場の絞りが弱いかなと思いつつですが、一旦これで行きたいと思います。
【デビュー時期(月)】
【新馬戦のコース実績】
絞り込み条件3 : 初勝利の時期とコース
最後の条件が、初勝利の時期とコースとなります。
まず初勝利の時期ですが、こちらデビュー時期と同様に8月~11月の4カ月間で全体の70%となっていました。
新馬勝ちが7割近くいるんでまぁそうなりますかね。
ということで初勝利のコースも、やはり新馬戦と同様に芝1600m、芝1800m、芝2000mで96%を占め、競馬場の観点では、福島に加えて函館を除く8場で実績がありました。
ということで、最後の条件は、初勝利の時期が8月~11月の間で、芝1600m、芝1800m、芝2000mの福島、函館以外の競馬場で勝利した馬となります。
【初勝利の時期(月)】
【初勝利のコース実績】
さて、具体的にな絞り込み条件ができたので、おさらいしてみたいと思います。
絞り込み条件1:
デビューから2戦以内に勝っている
絞り込み条件2:
デビュー時期が8月~11月の間で、芝1600m、芝1800m、芝2000mの福島以外の競馬場の新馬戦に出てきた馬
絞り込み条件3:
初勝利の時期が8月~11月の間で、芝1600m、芝1800m、芝2000mの福島、函館以外の競馬場で勝利した馬
この条件に該当する若駒たちをリストアップしてみたいと思います。
デビュー戦/初勝利の観点での対象馬
絞り込んだ対象が次の一覧表となります。
この時点で65頭が対象に上がってきました。
この中に、未来の皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞場がいたりするんでしょうか。
妄想は膨らみますが、65頭もいるとちょっと多すぎなので、ここでリストアップした対象をもう一つの条件で絞り込んでみたいと思います。
血統面からピックアップ
ここでは2021年~2023年の3年間の2歳馬、3歳馬限定戦の重賞含むオープンレースで馬券に絡んだ若駒たちの血統を調べた結果を用いて絞っていきたいと思います。
この調査は、ざっくり言えば、父馬として尻上がりに成績を上げている、かつより大きなレースで成績を上げている種牡馬をピックアップし、その父馬を起点に実績のある母父との組み合わせを探るというアプローチをとりました。
詳しくは、冒頭で紹介している記事をみていただければと思います。
そして、この調査で注目する父馬として10頭の種牡馬をピックアップしました。
その10頭がこちらになります。
ということでピックアップした65頭の若駒の父馬を上記10頭の種牡馬で絞り込んでみます。
そうすると21頭が残りました。それがこちらとなります。
いかがでしょうか?
皆さんが注目している若駒たちが入っているでしょうか?
今回の展望では、まずはこの21頭を注目の若駒たちとして今後ウォッチしていきたいと思います。
なお一旦ここで一区切りですが、21頭だと若干多いかなと思いますので、もう一段絞りを入れてみたいと思います。
絞り方としては、父と母父の組み合わせに着目して絞りたいと思います。
この組み合わせも、以前の調査結果を活用して絞ってみたいと思います。
直近3年間で実績のある父×母父の組み合わせで合致するのは、ジーティーマン、アロヒアリイ、サウンドサンライズの3頭となります。
また、父×母父系統※に拡大すると、パッションリッチ、ヴィンセンシオ、テイクイットオール、デンクマール、ミッキーゴールド、リラエンブレム、アドマイヤズームの7頭が該当しました。
合わせて、ちょうど10頭となりました!(偶然ですが気持ちいい)
ちょうどいい感じに絞れました、ということで今回の展望では、この更に絞りを入れた10頭を本線としてクラシック候補として推していきたいと思います。
※母父系統には、亀谷競馬サロンでおなじみのスマート出馬表の小系統を採用させていただいています。以前調査した実績のある組み合わせはこちらとなります。データが多いので折りたたんでいます。
※産駒数は2024年度に2歳になる産駒の数(血統登録分のみ)
新種牡馬の観点
さて、キリよくいい感じで10頭をピックアップできたのですが、今回のアプローチでは1点だけ、決定的な欠点があります。
それは、過去実績ベースでやっているため新種牡馬から活躍馬が出た場合は拾えないという点です。
今回も、最初の条件で絞り込んだ65頭の中に、実に16頭もの対象が含まれていました。
とりわけサートゥルナーリア産駒の活躍が凄まじいですね。
この中から、3歳クラシック戦線を沸かせる馬がいてもおかしくないと思います。
ただ、どう絞るか難しいところですが、ここは独断と偏見でピックアップしたいと思います。
父馬の観点では、やはり自身がクラシックレースで勝利をあげているサートゥルナーリア(皐月賞)、フィエールマン(菊花賞)を挙げたいと思います。
母父も同様にクラシック戦線を沸かした馬という観点で絞りを入れたいと思います。
ということで新種牡馬からの推しとして、レイニング(サートゥルナーリア×ディープインパクト)、エデルクローネ(フィエールマン×キングカメハメハ)の2頭をピックさせていただきます。
サートゥルナーリア×ディープインパクトという組み合わせは、他にクラウディアイ、サトノラポールといて、またダービー2着の実績をもつハーツクライを母父にもつスマッシュアウトもいます。
この若駒たちもクラシック戦線で活躍してもなんの不思議もないと思っています。
ただレイニングは、まだ新馬戦のみ戦歴1戦ですが、その新馬戦、東京芝1800m戦で上り3ハロン32.9秒の鬼脚で快勝しています。この走りがダービーで炸裂する姿を想像してしまったんですよね。
エデルクローネに関しては、フィエールマンは勿論ディープインパクトの仔ですし、母父がこちらもご存知の通りダービーを制したキングカメハメハ、祖母は桜花賞、オークスを制したブエナビスタということで、クラシック向きのスケールの大きさを感じさせる血統になっていると思います。
まとめ
というわけで、各種データを織り込みつつ、飛躍や想像力をはたらかせつつ来年の3歳クラシック戦線に出馬してきたら絶対に馬券に入れたい牡馬12頭をピックしました。
この12頭をおさらいすると次となります。
ジーティーマン
父:モーリス
母:オーロラエンブレム(母父:ディープインパクト)
厩舎:小栗実 (栗東)
馬主:田畑利彦
生産:ノーザンファーム
アロヒアリイ
父:ドゥラメンテ
母:エスポワール(母父:オルフェーヴル)
厩舎:田中博康 (美浦)
馬主:鈴木剛史
生産:ノーザンファーム
サウンドサンライズ
父:モーリス
母:マハーバーラタ(母父:ディープインパクト)
厩舎:音無秀孝 (栗東)
馬主:ライフハウス
生産:ノーザンファーム
パッションリッチ
父:ドゥラメンテ
母:セータコローナ(母父:Distorted Humor)
厩舎:久保田貴 (美浦)
馬主:宇田豊
生産:社台ファーム
ヴィンセンシオ
父:リアルスティール
母:シーリア(母父:キングカメハメハ)
厩舎:森一誠 (美浦)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
テイクイットオール
父:キズナ
母:トップソリスト(母父:War Front)
厩舎:中竹和也 (栗東)
馬主:前田幸治
生産:ノースヒルズ
デンクマール
父:モーリス
母:リリーノーブル(母父:ルーラーシップ)
厩舎:田中博康 (美浦)
馬主:サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム
ミッキーゴールド
父:リアルスティール
母:グローバルビューティ(母父:Global Hunter)
厩舎:池江泰寿 (栗東)
馬主:野田みづき
生産:ノーザンファーム
リラエンブレム
父:キズナ
母:デルフィニアII(母父:Galileo)
厩舎:武幸四郎 (栗東)
馬主:Gリビエール・レーシング
生産:ノーザンファーム
アドマイヤズーム
父:モーリス
母:ダイワズーム(母父:ハーツクライ)
厩舎:友道康夫 (栗東)
馬主:近藤旬子
生産:社台ファーム
レイニング
父:サートゥルナーリア
母:クルミナル(母父:ディープインパクト)
厩舎:友道康夫 (栗東)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
エデルクローネ
父:フィエールマン
母:コロナシオン(母父:キングカメハメハ)
厩舎:手塚貴久 (美浦)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
奇しくも朝日杯フューチュリティステークスを制したアドマイヤズームが入っていましたが、その他は、まだ戦歴も浅く未知数な部分が多い馬が多数かと思います。
また、この世代では、このリストに入っていない、先日のGⅠホープフルステークスを快勝したクロワデュノールが現時点で頭一つ抜けている存在かと思います。
3歳クラシック戦線は、この馬で決まりじゃないかと思えるくらいの横綱相撲での快勝でした。
果たして、今回リストアップしたメンバーがクロワデュノールに土をつける活躍を見せてくれるのか?土をつけないまでもクラシック戦線で活躍してくれるのか?
今は、神のみぞ知るですね。
ただ、なにより、ここに挙げた馬だけでなく、これからレースを迎える若駒たちが無事に成長し、無事にレースを走り切ってくれることを願いたいと思います。
2025年度のクラシック戦線が皆さん(と自分)にとって楽しめるものであることを願っています!
※馬券は20歳になってから。馬券は程よく楽しみましょう。