【競馬基礎知識】オッズの仕組み

基礎知識

”的中したけど損した”、”外しまくったけど1レースで取り返した”、”これ的中したら~万勝ちだな(と妄想してみる)”、これ馬券購入者あるあるだと思います。

このあるあるを生み出している重要な要素の一つがオッズ(倍率)となります。

なんとなく強い馬のオッズは低く、そうでない馬は高くなるというのは分かっているけど、実は、そんなにちゃんとみてないなという方もいるかもしれません。

また、オッズは誰がどうやって決めているんだろう?と疑問を持たれた方もいるかなと思います。
実は、このオッズが決定する仕組み、馬券で勝負する上でとても大切な知識となります。

ここでは、オッズが決まる仕組みを説明するとともに、その内容を踏まえた上でオッズとうまく付き合うための基本的な話をしたいと思います。

スポンサーリンク

払戻率:馬券は買えば買うほど損をする?

払戻率とは、馬券が購入された総額のうち払戻金として使う率を定めたものとなります。

逆に言えば払戻金に使わないお金、つまり運営元(JRA)の取り分の比率を決めたものでもあります。
この払戻率は馬券の種類(式別)毎に定義されており、次の通りとなっています。

払戻率は70%~80%となっています。つまり20%~30%が運営元の取り分ということです。

オッズが決まる前提として、運営元の取り分が差っ引かれているところからスタートするということをまずは覚えておきましょう。

また、これは、運営元は損をせず馬券を購入している側が一定の割合で必ず損をする構造になっているということを表しています。

まずは、何よりも、基本的に馬券を買う側(全体として)が損をする構造になっている点を理解して馬券購入に臨むことが大事です。

払戻金とオッズの計算式:オッズは誰がきめる?

一つ前の項目で、馬券売上から運営元が20%~30%抜いた残りが払戻金となると説明しました。

では、この払戻金をどのように的中者に分配しているのかという話になります。

この点、JRAの公式サイトに計算式がでているので、まずはそれを掲載します。

計算式 :
( W + D / P ) × R 【+ A / R】

W:当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額
D:出走した馬であって勝馬以外のものに対する勝馬投票券の総券面金額
P:勝ち馬の数
R:JRAが投票法ごとに定めた率
A:WIN5においてキャリオーバーがある場合の金額

【+ A / R】は、WIN5のみの利用となります。

引用元:JRA公式サイト

わからないですね、ぱっと見。

【+A/R】はWIN5のキャリーオーバーの計算に用いるもので今回は割愛します。

残りの( W + D / P ) × Rについて確認していきたいと思います。

  • W:当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額
    『当該勝馬』の字面だけ見ると、1着入線した出走馬のことかと思ってしまいますね。
    単勝馬券では、あっていますが、その他では間違いになります
    ここでの『当該勝馬』は、的中した買い目のことを指します。
    つまり、単勝馬券=1着入線の出走馬、複勝馬券=1着~3着入線した出走馬(8頭立て以上の場合)、馬連馬券=1着-2着で入線した馬の組み合わせ、ワイド馬券=1着-2着入線、1着-3着入線、2着-3着入線の組み合わせとなります。
    その他馬券種別でも同様の考え方となります。
    よって、当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額とは、当たり馬券が買われた総額となります。
     
  • D:出走した馬であって勝馬以外のものに対する勝馬投票券の総券面金額
    これは、上記Wで示した的中した買い目以外に投票された金額の総額となります。
    いわゆるはずれ馬券の総額ですね。 
     
  • P:勝ち馬の数
    的中した買い目の数です。単勝、枠連、馬連、馬単、3連複、3連単であれば1通り、複勝、ワイドであれば3通りとなります。(出走8頭以上であり、かつ同着のケースは除く)
     
  • R:JRAが投票法ごとに定めた率
    一つ前の項目で掲載した70%~80%の間で設定された払戻率となります

まだなんだかピンとこないですよね。

具体例で見てみましょう。

あるレースの単勝馬券の売上(総額)が1億円あったとします。

1番人気の馬が勝ったとして、その1番人気の売上が5千万円(売上の50%)だっとします。
勝馬投票券は、1口100円=1票なので、票数でいくと50万票となります。

このとき、この1番人気のオッズはどうなるか。
まずは、払戻金額を計算式に当てはめて算出すると、

(5千万円+5千万円/1) × 80% = 8千万円

となります。

これが1票あたりいくらになったかというと、1番人気の票数は50万票だったので

8千万円 ÷ 50万票 = 160円/票

となります。

つまり100円の1票が160円になったということです。
なので、このケースで1番人気のオッズは1.6倍ということになります。

と、払戻金の計算式から正攻法でオッズを算出してみましたが、

払戻率 ÷ 支持率(その買い目が買われた割合)

という計算式で簡単に出たりします。
上記の単勝の例でいくと、

80%(単勝の払戻率) ÷ 50%(支持率:5千万円/1億円 × 100) = 1.6

となり、同じオッズが算出できます。

基本的に、的中対象が1通りだけの馬券は、同じ計算で算出できます

そうでない馬券、つまり複勝とワイドのオッズは少し計算の中身が変わります

こちらも具体例で見てみたいと思います。

あるレースで複勝の売上(総額)が1億円あったとします。

1番人気、2番人気、3番人気が来たとします。(面白くない決着・・・)
1番人気の売り上げは3千万円(30万票)、
2番人気の売り上げは1千5百万円(15万票)、
3番人気の売り上げは1千万円(10万票)、
したがって、ハズレ馬券の売上は4千5百万円
だったとします。

この時、1番人気の払戻金額は次となります。

(3千万円+4千5百万円/3) × 80% = 3千6百万円

以降は、単勝のケースと同様の計算となます。
ここでのオッズは1.2倍になります。

単勝のケースとの違いは、ハズレ馬券の金額の扱い部分となります。(計算式”D/P”の部分)

複勝の場合、ハズレ馬券の金額が3通りある的中馬券以外となるため的中が1通りしかない一つ前の事例の単勝ケースと比べると1番人気の買われている金額が少ないのにハズレ馬券の金額が少なくなっていることが分かるかと思います。

また、ハズレ馬券の金額を的中した買い目で山分けするため1/3になっていることが分かるかと思います。

この部分で的中が複数出る複勝やワイドは同一レースの他の馬券と比べてオッズが低くなる傾向にあるのです。

お気づきの方もいるかと思いますが、ハズレ馬券の総額は、人気薄の馬がくれば多くなります。

上記のケースで、例えば1番人気がこないで人気薄の百万円しか買われていない馬が来た場合、1番人気の購入額3千万円がハズレ馬券総額に回ることになります。
(差し引き2千9百万円ハズレ馬券総額が増える)

このように、的中が複数出る複勝、ワイドでは、来た馬が確定した段階でオッズが確定します。

よって購入時のオッズ表示は1.1~1.5のように幅(他の2頭が一番堅いケースと荒れたケースで計算している)を持たせた表示になっているのです。

以上、払戻金の計算からオッズが算出される基本的な仕組みを説明しましたが、
要は、的中者でハズレ馬券分の払い戻し金を山分けする構造になっているということです。

なのでハズレ馬券の割合が多い(=的中馬券の投票数が少ない)ほど的中した時の取り分が多くなる、すなわちオッズが高くなるという構造になっています。

この話で、大事なのは、オッズの計算式を知るということではなく、結局オッズは誰がどうやって決めているのか?を知ることです。

まず、払戻率を定めているJRAが関与している部分は当然ありますが、オッズの変動をコントロールしているわけではありません。

オッズを決めているのは、ここまで読んでいただいていれば一目瞭然ですね、馬券を購入している全員となります。

何らか指標に連動しているのでも、専門家が決めているわけではく、いろいろな属性をもった不特定多数の人びとが決めているということなります。

そして、ここには、人の認知バイアス(先入観、偏見)が発生することがあります。

このバイアスによって、過大評価されたり、過小評価(あるいは見落とし)される出走馬や買い目が出てきます。

豆知識 : 全員が的中、または的中しなかった場合はどうなるの?

オッズ計算の仕組みの説明をしてきましたが、ここで2点ほど疑問が。
もし、全員が的中、もしくは全員外したらどういう払戻になるのだろうかということです。

各種馬券は、払戻率があり20~30%を運営元が徴収しています。

となると全員が的中した場合、戻ってくるのは70~80%となりますね。
的中したのに減る!?

安心してください、減ることはありません。

この場合、100円につき100円の払戻となります。

つまり賭けた金額がそのまま返ってくることになります。

これを100円元返しといったりします。

ここで挙げた全員が的中という極端な例だけでなく、払戻率を超える的中(払戻金)が発生した場合も同様となります。

それでは、的中無しの場合はどうでしょう?
普通に考えると、払戻がないので運営元が丸儲け?

これもそうではなく、特払いという払戻が発生します。

馬券の払戻率が70%台の馬券では、100円につき70円の払戻、
同様に80%の馬券では、100円につき80円の払戻があります。

ただし、このケース、正直、見たことないですし、

実際ここ何十年と出てないみたいですね。

尚、WIN5はキャリーオーバー(繰り越し)となるため、このルールは適用されません。

オッズの活用:オッズとうまく付き合う

冒頭の払戻率で触れた通り、馬券のオッズは、賭け金の20~30%を差し引かれた状態がベースにあります。

なので、そもそも、全体として負ける確率が高い状態になっていることを認識しておくことが何より大事です。

また、オッズは、馬券購入者全員の思惑で決まり人の認知バイアス(先入観、偏見)が発生することがあります。この点も大事な観点だと思います。

尚、認知バイアスとしては、例えば次のようなもがあるります。

  • メディアやインフルエンサーで喧伝されている内容に影響を受ける
    SNS、新聞、雑誌、テレビなど各種媒体で、専門家や著名人が各種データ的根拠や個人的な経験などをもとに予想を公開しており、それに影響を受けるというものです。
    最近3連勝中の誰それが、今週のGⅠをズバリ予想とか言われるとついつい参考までにと思ってみてしまいますよね。
    参考までといいつつ、実は、見た内容に大きな影響を受けていることって結構ありませんか?
    また、派生事例として、メディアを通して宣伝されるイベント事の影響を受けることもあるかと思います。
    例えば、馬自身に関することであれば、”3冠達成なるか”や、”親子制覇なるか”といった煽りです。また関係者(ヒト)に関することであれば、騎手の”100勝まであと1勝”といった節目の話や新人騎手、女性騎手、最高齢騎手などの各カテゴリーでの新事象や記録更新など。
    こういった煽りが人気に影響与えている部分があると考えています。
     
  • 飛びぬけた人気馬にさらに人気が集中する
    単勝1倍台の1番人気や、オッズがみるみる下がっていく(人気になっていく)馬がいると、軸は堅い、来る確率が高いだろうと思ってしまいませんか。
    例えるなら行列が出来ている店はいい店だとか、みんなで渡っていれば安全だというバイアスが働いていることになります。
    ただ、冷静に考えてみると、単勝1倍台の人気馬でも勝率は5割程度といわれており、理論上2倍以上のオッズがついてないと割が合わないはずなんですが、単勝1.2倍とかみると確実に来るだろうと思って関連馬券買ってしまうことありますよね。
    (なお単勝の場合、アイドルホースの応援的な買い方をしている場合もあり、それがオッズを押し下げているケースもあるかと思います。これも一種の認知バイアスですよね。)
     
  • 穴馬バイアスが発生する
    上記で述べた、飛びぬけた人気馬にはさらに人気が集中するケースとは逆に、ギャンブルではチャンスが低いほうに、その確率に見合わない賭けが往々にして発生することが確認されています。この事象を表す穴馬バイアスという言葉があるみたいです。
    自分自身、ちょっと思い出しただけでも本命サイドのオッズ低すぎなんで逆張りで人気薄から狙ってみようという話、日常茶飯事にやってるよなと思いました。

ここに挙げた例は、ほんの一部であり認知バイアスはいろいろな形でかかっており、それがオッズの形成に影響を与えています。

さて、そうだとすると人気サイドは過剰人気かもしれない、穴馬も穴馬バイアスが掛かっているかもしれない、今見てるオッズは根拠のない煽りで形成されているかもしれない。

そう思うとオッズを予想にどう使えばいいんだよ?
と思われた方もいるかと思います。

そうなんです、オッズは予想に使わない

もう少し正確にいうとオッズと予想は分けて使う必要があると考えています。

予想は、あくまで馬の実力(近走成績、得意不得意、これまで対戦した相手との比較など)や出走レースの環境(相手関係、枠順、展開、コースや馬場の傾向など)から予想を組み立てることが大事で、ここが固まっていない時にオッズを見てしまうと、まさに他人の正しいのか正しくないのかよく分からない認知バイアスに巻き込まれる可能性が高まります。

では、オッズは、どう使うのか。

オッズは、そのレースに参加すべきかどうかの判断と参加するとなった場合、買い目と賭け金の傾斜を決めるのに利用します。

馬券は、状況を見て直前まで勝負の舞台に立たないという選択ができます。

なので、自分の予想の自信度合いとオッズを見比べて、オッズが低すぎると思えば、そのレースの馬券は買わないが正解となります。

この時、予想に費やした時間がもったいない、少しでも儲かりそうなら馬券を買ってみようという費やした時間を無駄にしたくない思い取らぬ狸の皮算用が判断の邪魔をしてくることが往々にしてあります。

ここをきっぱりと諦められるかが虎の子の資金を長く保全し、ひいては末永く愉しむことにつながると考えています。

ここは、自戒の念も込めて『自信がない勝負をする理由も余裕もないでしょ!』と言いたいです。
余裕のある方はどうぞ(w

尚、旨味があると判断した場合、予想をある程度固めた上でオッズを確認し、ここから、どの馬券(単勝、馬連、3連単など)で攻めるか、買い目毎の購入金額をどの程度にするかを決めていきます。

ここでは、馬券の的中確率とオッズの歪みおよび合成オッズに着目してみるとよいと思います。

馬券の的中確率とオッズの歪み

馬券の的中確率とオッズの歪みは、例えば、理論上の的中率としては、馬連と馬単では馬連のほうが2倍高い、3連複と3連単だと3連複のほうが6倍高くなります。

では、オッズは、これに連動して馬単のほうが馬連の2倍、3連複より3連単のほうが6倍高いオッズがついているかといえば、そうなっていないケースが多いと思います。

参考までに、各馬券でどの程度的中率に差があるのかをまとめた表を掲載しておきます。

脱線しますが、7頭立てレースだと、単勝とワイドは同じ的中率となるんですね。

【単勝の的中率を基準(100)とした場合の各馬券の的中率の相対比較表】

本件、具体例で詳しくみていきましょう。

2023年度のマイルチャンピオンシップの馬連と馬単の例
このレース1着は、5番人気の16番ナミュール、2着は、3番人気の1番ソウルラッシュという決着でした。

馬連と馬単の確定オッズは、

馬連1-16 44.4倍
馬単1-16 75.8倍、16-1 104.9倍

となっていました。

資金が2,000円の場合、

馬連を選択した場合、資金をまるっと突っ込むので、

払戻金 = 2,000円 × 44.4 = 88,800円

となったはずです。

馬単は、比較のため2通りある買い目の払戻ができるだけ同じになるよう傾斜をつけると、

1-16の払戻金 = 1,200 ×  75.8 = 90,960円
16-1の払戻金 =  800 × 104.9 = 83,920円

となります。
勝ち馬投票券は、100円単位の購入となるため、2つの買い目でぴったり同じ払戻にすることができないので、両者で若干開きが出てしまいます。

今回の事例で行けば的中は、16-1となるので、83,920円の払戻となり、馬連にまとめていた方が、5千円ほど得していたことになります。

ただ、1-16だった場合は、逆に2千円ほど馬単のほうが得だったとも言えます。

一応、馬単の2つの買い目の払戻の平均を出してみると87,440円となり、馬連に集中させたほうが千円ほど得な結果となっています。

今回のマイルチャンピオンシップでナミュールとソウルラッシュが連対するだろうと予想した場合、馬単より馬連に資金を集中したほうがよりお得であったといえると思います。

もちろん、1着に来る可能性が2頭で開きがあり、馬単で1点勝負したり、同様に馬単で一つはトントンでいいとして、自信のある片方により多くの資金配分をする場合は、違いが発生します

あくまで馬連と馬単の的中確率に着目して、払戻ができるだけ同じになるように馬券を買うとした場合、上記の結果になるかと思います。

もう一つのケースとして、馬単で買い目を絞る場合、理論上の的中確率の観点でみると馬連の2倍以上のオッズがついていれば得といえます。

よって、このケースだと馬単1-16は損、16-1は得であったとみることができます。

これは、あくまで理論上の的中確率の観点であり、どの買い目も来る確率は同じとした場合の話とりますので、その点はご理解ください。

馬連
1-16 44.4倍
⇒ 2倍は、88.8倍

馬単
1-16 75.8倍 < 88.8倍 損
16-1 104.9倍 > 88.8倍 得

このように、予想に対して、どのような買い方をすればよりお得なのかをチェックして馬券購入を進めていけば、馬券選び方に迷うことは無いですし、長い目で見たときに回収額の増加につながると思います。

合成オッズ

上記の例で、馬単の2つの買い目で、同じ払戻になるように購入したときの払戻はいくらになるのかという計算をしましたが、まさにこのどの買い目がきても払戻額が一定になるように買った場合、購入総額の何倍になるかを計算したものが合成オッズとなります。

つまり合成オッズとは、複数の買い目で払い戻し金額が全て同じになる場合のオッズを算出したものとなります。

こう書くと堅い感じで、分かりづらいですが、みなさんもメインレースなどで1万円の軍資金で2万勝ちにはしたいなと思い、選んだ買い目のどれが来ても、だいたい払戻が3万円超えとなるような買い方をしたことありませんか?

まさに1万円をつかって購入したどの買い目が来ても約3万円となるようにした場合、この1万円を3万円にするという”3倍”が合成オッズを表したものとなります。

計算式など詳細は細かくなるのでここでは、割愛しますが”合成オッズ”でネット検索をすると、多くの理解に役立つ情報や計算ツールが上がっているのでそちらを参照してみてください。

尚、自分は、合成オッズの計算にUmas!のWebツールを使わせていただいてます。
https://umas.club/app-average-odds

合成オッズがどういうものかなんとなく分かったが、これをどう使うのか?と思った方もいるかと思います。

この合成オッズは、各レースで狙う回収率の目標に予想の買い目で到達可能かを確認するために使います。

例えば、
だいたい5レースに1レースの割合で的中するから、1つのレースで回収率500%(賭け金の5倍)以上を狙っていこうとしていたとします。

狙い通りにいけば理論上は、トータルの回収率が100%以上(トントン以上)となります。

あるレースで、馬連3点予想して、その3点の買い目のオッズが、5倍、15倍、30倍だったとします。
この買い目の合成オッズは、約3.3倍となります。

よって回収率目標は500%以上つまり5倍以上を狙っているのに対して、この買い目でいくと3.3倍止まりで目標到達できないことが分かります。

この結果を受けて勝負をやめる、そのまま突っ込む、買い目を変えるなど取るアクションは個人の考えや状況でいろいろとあるかと思いますが、ここで一番やっていけないアンチパターンは、予想自体(軸などの根幹)を変えてしまうことです。

予想で来る可能性が低いと判断した出走馬を無理やり相手に組み入れたり、軸はないと判断していた馬を軸に持ってきたりして合成オッズの引き上げをすることです。

たまにこれが当たったとしても、何度も続かないですし、無駄に買い目を増やしたり、再現性がない且つ自分の中で割りの合わない馬券を購入してしまうことに繋がります

冒頭で話題にした通り、競馬は、買えば買うほど損をする構造になっているので、勝負するレースと買い目は絞れるだけ絞るのが鉄則です。

上の文中で”だいたい5レースに1レースの割合で的中するから”としれっと書きましたが、この部分、レース単位で見た場合の自分自身の的中率成績となり、この的中率の目標を持つことも大切です。

各レースで狙う回収率目標、レース単位での的中率目標、これが定まると、おのずと自身のトータルの回収率目標が出てきます。

というか、むしろ逆でトータルの回収率(回収額)目標から、各レースで狙う回収率とレース単位での的中率の目標を定めるのが良いかと思います。

トータルの回収率(額)目標 = レース毎の回収率(額)目標 × レース単位の的中率目標

具体的でいくと、トータルの回収率目標を110%以上に定めたとして、レース単位の的中率目標を25%(4回に1回の割合で的中させる)と設定したとすると各レースで狙う回収率目標は、110%を25%で割り100分率に直した440%となりますね。

つまり、各レースで回収率440%(賭け金総額の4.4倍)以上にする必要があるということが分かります。

これが分かれば、合成オッズを使い各レースで4.4倍となるような買い目の予想ができたところで勝負しようという判断ができるようになります。

と、さらっと事例として簡単に書きましたが4回に1回の割合で合成オッズが4.4倍になる買い目を的中させ続けるのって至難の業なんですよね。

だいたい競馬はやればやるほど損をする構造なので、トータルの回収率を100%(損も得もしてない状態)にすること自体が難しいですからね。。。

この点は、誤解なきようお願いします。

まとめ

オッズは、運営元(JRA)が運営費など一定の取り分を差し引いた金額をもとに計算されます。

よって、そもそも馬券を購入している側が一定の割合で必ず損をする構造となっています。

またオッズは、馬券購入者全員の思惑(購買行動)によって決まります。

馬券購入者の購買行動には、認知バイアス(偏見、先入観)が大きく影響を及ぼしています。

よって、オッズから予想を組み立てると、この他人の認知バイアスの影響をモロに受けることになります。なお予想は、その馬の実力やレース環境を元に予想をします。

POINT
  • そもそも自信のないレースでの勝負や、買い目をむやみに増やさない
  • 予想自体にオッズは使わない(予想とオッズは分けて考える)


オッズは、そのレースに参加すべきかどうかの判断と参加するとなった場合、買い目と賭け金の傾斜を決めることに利用します。

買いとなった場合、馬券式別(単勝や馬連など)の的中確率(理論値)とオッズの歪みに着目して、よりお得な馬券と買い目を吟味します。

また、買い目を決める時には、合成オッズを意識して買い目の点数と資金配分を決めていきます。

合成オッズは、複数の買い目で払い戻し金額が全ての買い目で同じになる場合のオッズを算出したものとなります。

尚、ここで、合成オッズを上げるために予想の根幹を変えることは避けましょう。

POINT
  • 予想からオッズを見て割が合わない場合、そのレースは見送る
  • オッズを見て、予想自体(根幹)を変えることはやってはいけないアンチパターン


自身のトータルの回収率目標を定め、そのための各レースで狙うべき回収率目標と的中率目標を設定すると、各レースで狙うべき回収率目標がすなわち各レースで気のするべき合成オッズとなります。

トータルの回収率(額)目標 = レース毎の回収率(額)目標 × レース単位の的中率目標

POINT
  • 各レースで狙うオッズを知るために、トータルの回収率目標を設定する
  • 同時に、どの程度の的中率を目指すのか目標を設定する
  • 各レースで狙うべきオッズ目標に到達しているかを合成オッズを使って確認する


※馬券は20歳になってから。馬券は程よく楽しみましょう。


スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました