日本ダービーが終わり新馬戦が始まる季節になると、がぜん盛り上がりを見せるPOG(ペーパーオーナーゲーム)、大手メディアが主催している一般参加型のPOGは基本的に2歳~明け3歳の日本ダービーの週までを集計期間として成績を競い合いが行われます。
尚、POGてなんだ?と思われた方はこちらの記事をご覧ください。
このPOG、毎年多くの名伯楽たちがあれやこれやと情報を収集して自分の推しを指名しています。
中には指名が集中する良血馬、話題の馬が毎年、何頭も出てきています。この全国の名伯楽たちの指名が集中した素質場たちが結局、どのような競争成績を残しているのか?
とても気になったので調べてみることにしました。
尚、調査方法としては、日刊競馬新聞社が主催している日刊競馬POGの過去データを元に調査をしてみたいと思います。
このPOGを選んだ理由としては、お手馬を指名できる期間が新馬戦が始まる前までという点です。
その他、JRA-VANやnetkeiba.comの大手のPOGでは、各馬がデビューする直前まで指名と取り消しが可能となっています。つまり、デビューが確実になるタイミングや、そこまでの情報収集を行える余裕がありますが、日刊競馬POGは、この技が使えないのです。
なかなかシビアな条件ですよね。
だからこそ、より名伯楽の情報収集力や相馬眼が試されるのかなと思っています。
まぁ、相馬眼はといっても見れるのは、写真や育成時の調教動画くらいしかないのですが、、、
前置きが長くなりました、そろそろ本題に行ってみましょう!
POG あの年の人気指名馬の戦績はいかに?
さて、ここから本題の日刊競馬POGの2018 – 2019シーズンから5年分のデータを見てみたいと思います。
ウォッチするのは指名が多い順に上から20頭となります。
いわゆる人気Top20ですね。
それでは、いってみましょう。
2018 – 2019シーズン
まず参考までに、このシーズンのクラシック三冠、牝馬クラシック三冠の3着までの馬たちをみていきたいと思います。
ここで出てくる馬たちを指名していればPOGとしては、大正解となりますね。
【クラシック三冠】
【牝馬クラシック三冠】
さて、それでは、このシーズンの人気Top20の馬たちとその戦績を見てみましょう。
尚、GⅠ勝ち馬は赤文字にしてます。
1位には、さすがシーザリオの仔にしてエピファネイア、リオンディーズを兄にもつサートゥルナーリアが断然人気でランクインしてますね。
また、マイル戦中心にGⅠ6勝を挙げた名牝グランアレグリアもしっかりランクインしてます。11位というのは、その後の活躍を知っているので意外に低いと感じてしまいます。
その他、阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬のダノンファンタジーがランクインしています。
それ以外に重賞・オープンクラスの勝ち馬が4頭いますが、他は未勝利ないし条件戦止まりとなっています。
ダービー馬のロジャーバローズや、のちのグランプリホースとなる女傑クロノジェネシスや菊花賞場のワールドプレミアは古馬になって天皇賞(春)を勝つなどステイヤーとして活躍しました。ダノンキングリーも、古馬になり安田記念を勝ってます。
こういった馬たちがTop20に1頭も入っていないのは、意外でした。
日刊競馬POGは、ミーハー値なるものがあり、指名が少ない馬でランキングを競うという遊び方もあるため、敢えて前評判が高くない馬へ指名が流れるというのも一定数あるかもしれません。
ただ、やっぱり、なかなか見極めは難しいですよね。そもそも無事に出走してくれるかすら分からないというのが現実的にはあるので。
2019 – 2020シーズン
この年もクラシック三冠、牝馬クラシック三冠の結果から見ていきます。
【クラシック三冠】
【牝馬クラシック三冠】
さて、それでは、このシーズンも人気Top20の馬たちとその戦績を見てみましょう。
尚、GⅠ勝ち馬は赤文字にしてます。
もうこの年は、なんといっても、史上初の無敗のクラシック三冠馬と無敗の牝馬クラシック三冠馬が同時に誕生するという年でしたね。
無敗のクラシック三冠馬コントレイル!、無敗の牝馬クラシック三冠馬デアリングタクト!、当然、POGも人気上位に・・・いなーい。
なんとコントレイルは、指名数14で312位タイ、デアリングタクトに至っては、指名数2で846位タイとなっていました。
Top20には、朝日杯フューチュリティステークス勝ち馬で、皐月賞、日本ダービー2着のサリオスが20位に、弥生賞勝ち馬で菊花賞3着のサトノフラッグが6位に、人気1位のリアアメリアは、ローズステークスを勝つなど3歳クラシック戦線を沸かせた馬たちはそれなりにランクインはしています。
が、しかし、それ以外で先見の明があったねと言えるのは、8位にランクインしている、のちに大阪杯(GⅠ)を勝つポタジェくらいです。
ちなみに人気1位のリアアメリア、父ディープインパクトに、母が米BCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬リアアントニアと良血で前評判も高く、評判通りに新馬戦、アルテミスステークスと連勝しています。
ただ、その後は、ロースステークスを勝利しましたが、それ以外は馬券に絡むことなく抹消となっています。
やっぱり血統を主とした事前の限られた情報だけで活躍馬を予想することは、それだけ難しいということですよね。
やっぱり、無事デビューまでたどり着けない馬たちもいる世界ですから・・・
2020 – 2021シーズン
この年もクラシック三冠、牝馬クラシック三冠の結果から見ていきます。
【クラシック三冠】
【牝馬クラシック三冠】
さて、このシーズンの人気Top20の馬たちとその戦績を見てみましょう。
この年は、古馬になっても活躍したエフフォーリア、シャフリヤール、タイトルホルダー、白毛馬ソダシ、母娘で秋華賞を制したアカイトリノムスメといった、実力や話題性もあるメンツが揃っていた年でしたね。
Top20に、ダービー馬シャフリヤール、アカイトリノムスメがしっかりとランクインしてますね。また、ステラヴェローチェ、レッドジェネシスといった3歳クラシック戦線を沸かせた馬たちもランクインしてますね。
その他では、日経新春杯、鳴尾記念を制したヨーホーレイクが5位にランクいしていますね。
なお1番人気のサトノレイナスは、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞とGI2着2回続けた後、牝馬ながら日本ダービーに挑戦して5着と健闘しました。このダービー挑戦をもって引退したため古馬としての活躍は無いですが、POG指名としては、正解と言えるのかなと思います。
この年のTop20は、それなりに的を得た指名が多かった年なのではないかなと思います。
2021 – 2022シーズン
クラシック三冠、牝馬クラシック三冠の結果から見ていきます。
【クラシック三冠】
【牝馬クラシック三冠】
さて、このシーズンの人気Top20の馬たちとその戦績を見てみましょう。
この年は、天才イクイノックスを筆頭にドウデュース、ジャスティンパレス、ナムラクレア、ナミュールと、古馬になってからも活躍している馬が3歳クラシック戦線を沸かした年でした。
さてTop20はどうだったかというと、、、
上に挙げた馬たちが1頭も入っていない!
イクイノックスが指名数46で186位タイ、ジャスティンパレスが指名数45で190位タイ、ナミュールが指名数44で195位タイとなっており、ドウデュース、ナムラクレアは指名無しとなってました。
いやぁ、なかなかな年ですね。ちなみにTop20でGⅠ勝ち馬は、ホープフルステークス勝ち馬のキラーアビリティ1頭のみでした。
尚、人気1位のコマンドライン、父ディープインパクト、母は米でGⅠ勝ちをしているコンドコマンドと良血馬で、評判通り新馬戦、サウジアラビアロイヤルカップを連勝しますが、3戦目のホープフルステークスで12着大敗後は、まったく勝てず引退となりました。
前年のTop20がそれなりに的を得た結果と思える内容だったので、この年との落差が際立ちますね。
まだまだ現役馬も多数いるので、この後に大きなところを勝つ馬が出てくる可能性がありますが、やっぱり限られた情報だけで先を読むことの難しさを改めて痛感です。
2022 – 2023シーズン
クラシック三冠、牝馬クラシック三冠の結果から見ていきます。
【クラシック三冠】
【牝馬クラシック三冠】
さて、このシーズンの人気Top20の馬たちとその戦績を見てみましょう。
この年は、なんといっても牝馬クラシック三冠を達成したリバティアイランドの強さが際立った年でしたね。
そして、人気5位にちゃんとリバティアイランドがランクインしてますね。
さすがです。
尚、クラシック戦線ではダービー馬タスティエーラを筆頭に、ソールオリエンスの両馬を中心に進みましたが、古馬混合戦になってからは活躍が今一つで、この世代の実力を疑問視する声も上がっていますね。
そしてTop20には、この3歳クラシック戦線を沸かせた馬たちが1頭もランクインしていないですね。
ちなみにタスティエーラが指名数102で101位、ソールオリエンスが指名数57で171位という結果でした。
その他、重賞勝ちという観点でアルテミスステークス制したラヴェル、3歳時に新潟記念を制したノッキングポイントがランクインしていますが、それ以外はパッとした戦績を残している馬がいません。
もちろん、まだまだ現役世代が多いので、これから活躍してくる馬たちがいる可能性も十分にあるかなと思います。
ちなみに人気1位のプレドミナルは3戦して未勝利のまま抹消となりました。厳しい!
まとめ
今回は、盛り上がりを見せるPOGに関して日刊競馬POGを題材に毎年人気を集めた馬たちがPOGの集計期間を超えた生涯戦績として、評判と期待通りに活躍できたのか?という疑問点を調査してみました。
具体的には、2018-2019から2022-2023までの5シーズンを対象に、指名数上位20位までの馬たちの戦績を調査してみました。
結果として上位20頭の中で重賞ウィナーとなっている馬の割合は、10%~30%という結果となりました。
皆さんは、この成績を見てどう感じられますかね?
個人的には、最初こそ直感的に低いと感じてしまいましたが、ここ1~2年の自分のPOG指名馬を考えてみると妥当ないし優秀なんじゃないと思いました。
後々、それこそ結果を知っている立場でみてみると、えっ!?コントレイルやイクイノックスてそんな人気薄なのとか思ってしまいますが、デビュー前に気づく人がどれだけいるのかという話ですね。
Top20に入っているが未勝利で終わっている馬も多数いることから、やっぱり馬の能力を見極めることって本当に難しいなと、それこそ本文中でも何度か触れましたが、どれだけ血統が良く前評判が高くても、そもそもデビューできずに消えていくという馬たちも普通にいる世界なので。
馬自身は勿論のこと多くの関係者で成り立っている競馬という世界から、日々の楽しみを得られていることに感謝しつつ、今日もせっせとPOG指名候補馬の検討にいそしむとしましょうか。
それでは、皆さんのPOG指名馬が活躍することを願って、Good Luck!